観光業よりもエネルギー産業などの比重が高い

オランダは世界で20位内、EU加盟国では6位に入る経済大国です。1980年代からの開放経済政策で国際貿易を中心に発展を続けてきました。ロッテルダムにあるユーロポートはヨーロッパ最大の港として知られており、その規模からも経済状況の良好さがうかがえます。EU共同通貨のユーロを導入しており、最大の貿易相手国はドイツで、次にベルギーやフランス、アメリカ合衆国などが続きます。

オランダの主な産業にはエネルギー資源産業、金融・流通などのサービス産業、農業、漁業、工業が挙げられます。世界第9位の天然ガス産出国なのでヨーロッパを始め世界中に輸出を行っています。

ガソリンスタンドの「シェル」はオランダの会社です。金融ではアムステルダムが有名で、証券取引所のほか銀行などの金融機関が立ち並んでいます。アムステルダムはダイヤモンドの取引場としても知られています。

農業はチューリップやチーズなどが有名ですが、ハウス栽培を利用したトマトやパプリカなどの野菜の生産もよく知られています。

ヨーロッパ内のほとんどの野菜はスペイン、イタリア、オランダで栽培され、欧州全土に輸出されています。豚の飼育も盛んで、ハムやベーコン、ソーセージ用の加工肉も多く輸出しています。漁業は近年伸び悩んでいるものの、北海産のニシンやタラ、貝類をはじめ、魚介の加工食品の生産も盛んです。

食品工業は経済状況を左右する大きな軸となっており、特にユニリーバの加工食品やハイネケンのビールなどは輸出面で注目されています。

鉱物資源が乏しいため経済成長では他の欧州諸国に出遅れたものの、近年では製鉄、機械、造船、航空機、電気機器などの金属工業や、化学工業、繊維工業なども発展し、世界経済の第一線で活躍する企業も見られるようになりました。

経済状況は全体的に良好さを保っており、物価は隣国のドイツやフランスと同じ程度です。風車やチューリップ、木靴と大きなチーズという観光大国のイメージがありますが、実際には観光業よりも流通業や金融業、エネルギー産業、工業の比重が高い経済大国です。

特に流通業はヨーロッパの交通において重大な役割を占めており、ユーロポートをはじめとした運輸部門や通信部門は常に成長を続けています。

鉄道輸送や空輸にも力を入れており、欧州各都市を直結するルートが整備されています。高速道路も整備され、港から東欧諸国に向かう貨物輸送でも大きな役割を果たしています。